パイプ

惡の華 SIBRO ELEGANT

ボードレール/惡の華 より。

私は作家のパイプです。 アビシニヤ女かカフルリ女のやうな 私の黒い顔を見れば 主人の煙草好きがわかるでせう。 主人が悩みに沈んでゐるとき 私はさかんに煙を吐きます。 野良から歸る農夫のために 夕餉の支度をする藁屋のやうに。 燃える私の口から昇る ゆらめく靑い網の中に 私は主人の魂を抱いて寝かせます。 そして強い薰りをを放ち 主人の心をうつとりさせて 精神の疲れを癒してあげるのです。

凡人の私には難しいですね。

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